Topics トピックス

AIと人が融合したマーケティングの新しいかたち。「VALIS-Cockpit」の開発ストーリー

2018-04-09

Column

ソネット・メディア・ネットワークス(以下、SMN)が2017年12月に提供を開始したマーケティングAIソリューション「VALIS-Cockpit」。「VALIS-Cockpit」からはじまるマーケティングにおけるAIの在り方とは?その開発を指揮した、SMNアドテクノロジー事業を管掌する執行役員・谷本秀吉の姿を通してお伝えします。

AIと人が融合。人が意思決定に集中できるマーケティングの画期的な仕組み

8e5e233d866bfc3cacaef7e5102bd92bc27f88ca

▲2017年12月にリリースされたVALIS-Cockpit

「VALIS-Cockpit」(ヴァリス‐コクピット)は、AIと人が融合したマーケティング最適化ソリューションです。数億に及ぶユーザーのWeb行動を、SMNが自社開発した人工知能「VALIS-Engine」(ヴァリス-エンジン)が分析し、様々な表現方法で可視化していきます。この“可視化”により、新たなユーザーインサイトや、潜在的なターゲット層へのアプローチが可能となるのです。

この「VALIS-Cockpit」のプロダクトの企画と開発をリードする執行役員の谷本はこう語ります。

谷本 「企業のマーケティングにおいて、取得した様々な種類のデータを統合し、一連のマーケティングサイクルを一元化、高速化、自動化することで、よりマーケティング ROI(投資対効果)を最大化することの課題感は、日々高まっています。また、仮に複数のデータを連携したとしても、膨大なデータを適切に処理し、的確な分析、判断を行ない、施策実行に移すことは決して簡単なことではありません」

SMNでは、こうした企業のマーケティングの現場のニーズに応えるため、データの一元化、判断と施策サイクルの高速化、自動化を実現する「VALIS-Cockpit」を開発しました。

谷本 「 DSP『 Logicad』と連携することによって、膨大なデータの処理や適切な分析が可能です。それによって、マーケティング ROIの最大化を図ります。潜在ユーザーのスコア分析、カスタマージャーニーグラフ分析、ペルソナ分析などを AIエンジンが自動学習し、可視化をしていきます。マーケターはマーケティング活動の上流工程である戦略策定と意思決定により多くの時間とチームのリソースを集中させることが可能になります」

谷本が長年、感じていた難題に応えた――エンジニアたちの確かな技術力

4c50d45663472853acd3d6d18ab281c0ce2af05d

▲インターネット広告業界の最前線で活躍する谷本は、数々の業界イベントの登壇経験をもつ

2017年4月に入社した谷本は、1998年から広告、マーケティング業界に身をおいています。マスメディアとインターネット広告のメディアプランニングを担当した後、インターネット広告事業を経営サイドでけん引してきました。広告、マーケティングに長年従事してきた経験があったからこそ、SMNの技術力を活用して、新しいサービスの開発に取り組める環境を大きなチャンスとして捉えられたと谷本は語ります。

谷本 「長くインターネット広告に携わっている中で、企業にとって重要なデジタルを取り入れたマーケティング活動が、ここ数年で大きく変わってきているのを感じています。ビッグデータはマーケターの誰しもが重要だと言います。

しかし、命題はそのビッグデータをどのように活用し、事業の成長に貢献するのか?より多くのファン層を増やすために、生活者とのコミュニケーションを最適化するのか、という点です。特に近年、マーケティング界でも AIに関する話題は劇的に増えていますが、実際のところ AIを研究・開発し、それを効果的にマーケティングに適用することは本当に難しいことです。

だからこそ大いなる可能性も秘めており、AI開発エンジニア、アドテクノロジーエンジニア、データサイエンティストなど、ソニーグループならではと言える、技術のエキスパート人材がそろう SMNで新しいチャレンジをすることに魅力を感じました」

谷本は以前からマーケティングサイクルをスピーディーに回すことができるツールをつくりたいと考えていました。それは、ビックデータを保有している企業がユーザーを理解し、AIがデータに重みや意味付けをしてユーザーの実態を可視化するというもの。その構想と面接の際に話に聞いたSMNの戦略がマッチし、執行役員という立場で「VALIS-Cockpit」の企画・開発を指揮することになりました。

実際に開発を進めるにあたり、エンジニアたちと議論をするなかで、SMNの強みを再認識することになりました。

谷本 「SMNのエンジニアたちは、業界全体でもなかなか出会えない高い技術力と挑戦心をもっています。使命感やプロダクトをつくり出すうえでのこだわりもとても強い。これまでも自社開発のプロダクトをつくってきましたが、気概あるエンジニアの存在は、ビジネス開発をするうえで非常に強力な武器になっています」

技術力を強みに、パートナーとして企業のマーケティングを支えたい

46cbf071459c052594dde6eb8e955ca46a683513

▲プロダクト会議の様子。エンジニアと二人三脚でプロダクトが生み出される

「VALIS-Cockpit」の開発にあたって谷本は、ふたつの点を重視していました。ひとつは、ビッグデータをAIの力を活用しながら可視化・分析、設計、実行・検証することで、マーケティングROIを最大化することに貢献するマーケティングAIソリューションに仕立てることでした。もうひとつは、そのソリューションを駆使して企業のマーケターの使命感を形にしながら、マーケティング業界で躍進するマーケターの出現をサポートすることです。

谷本 「これまで多くのマーケターと一緒に仕事をさせていただいてきました。マーケターがその使命を果たすには、事業上最適なタイミングでの意思決定ができる状態をつくることが必要です。そして、企業のマーケターが、マーケティング AIの要素を取り入れ、新たなアプローチによる成功実績をつくっていくことを支援したいと考えています」

データの可視化や分析をスムーズに行なえるというだけでなく、マーケター個人の生産性の向上と事業の成功の実現に向けたパートナーとなることを目指して、「VALIS-Cockpit」の企画と開発を進めてきました。

谷本 「私は、マーケターが『 VALIS-Cockpit』で何を解決できるのか?を突き詰めてきました。顧客を的確に理解し、ユーザーインサイトを見出し、潜在的な顧客層を見つけ、DSP『 Logicad』でアプローチする。このサイクルをつくっていくことが開発コンセプトです。しかし、事業として重要なことは当社の顧客企業とマーケターの成功のパートナーとなることです」

実際のプロダクトづくりの現場では、マーケターをよく知る谷本だからこそのこだわりがありました。

谷本 「エンジニアたちと議論をしながら開発を進めてきました。そこでの私の役割は『マーケターがそのソリューションを採用するか否かの基準定義』だと思っています。可視化と一言に言っても様々なレベルがありますが、マーケターが直感的に『これは役立ちそうだ』と感じるプロダクト開発を追求しました。

ビッグデータを高速で分析し、グラフを動的に可視化するためにも、インフラ負荷の最適化も含めた技術力が必要になりますが、『どうしたら直感的にシンプルに課題を表現できるか』をエンジニアとサービス企画サイドのチームと一丸となって追求してきました」

進化する「VALIS」シリーズ。マーケティングAI「VALIS-Cockpit」のこれから

Dd8054ab7e6a38f2145d24340800dce75c8fa23f

▲VALIS-Cockpitの魅力を伝えるため、イベントに登壇する谷本

「VALIS-Cockpit」のサービス開始から3カ月あまり(※2018年3月現在)ですが、企業のマーケターのパートナーとしてのポジションの確立に向けた手応えをすでに感じていると谷本は言います。「VALIS-Cockpit」を導入してくださっている顧客企業から、「AIを取り入れ、事業をより高く成長させたい。新しいマーケティング手法を確立したい」という声が届いています。

「VALIS-Cockpit」で可視化・分析・導出されたインサイトをDSP「Logicad」に取り込み、マーケティングを高速化していく新しいサイクルによって、これまでのマーケティングの限界を超えていくという目標を、顧客企業とともに共有できつつあります。

谷本は、今後の事業展開をどのように見据えているのでしょうか。

谷本 「『 VALIS-Cockpit』をこれから多くの企業の方に活用いただく中で、連携するソリューションを増やしていきたいと考えています。活用できる選択肢が増えれば、その価値はますます高まっていきます。『 VALIS-Cockpit』が実現する課題解決領域の拡大のため、プロダクトは連続して開発アップデートしていきます」

マーケティングAIアプローチによるマーケティングの変革において、「VALIS-Cockpit」の開発はまだスタート地点。谷本は、会社はタレントの集合体で、すべての人が何かしらの専門性を有したプロフェッショナルだと語ります。多様なプロフェッショナルの力を統合しながら、これからも真のマーケターのパートナーを目指していきます。

https://www.pr-table.com/so-netmedia

本件に関するお問い合わせ先

ソネット・メディア・ネットワークス株式会社
経営企画部 広報担当