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【周囲も認めるあくなき探求心】数式大好きな彼が、機械学習の研究から実社会の課題解決を目指す理由

2019-03-12

Column

ソネット・メディア・ネットワークス株式会社(以下、SMN)は、ソニーグループのマーケティング・テクノロジー会社として、確かな技術力と豊かな発想力で、最先端の広告配信サービスを提供している。主力事業であるDSP(Demand Side Platform)は、20TB相当のビッグデータ高速処理技術と自社開発の人工知能エンジンを基盤に成長を続けており、マーケティング領域での新規事業も展開している。

2000年設立、2015年東京証券取引所マザーズ上場。

今回はそんな事業が急成長、急拡大を迎えているSMNの2018年度新卒1年目の社員に焦点を当て、インタビューを敢行しました。今後の飛躍の一端を担う次世代メンバーが、いかにしてSMNに入社し、現在どのような想いで日々活動しているのかなどを赤裸々に本音で語ってもらいました。今後の期待の若手メンバーの“素顔”が今回明らかになります。

第十五弾は時折チャーミングな笑顔を覗かせる、森富へインタビューを敢行いたしました。数式が大好きな彼がどのような経緯でSMNへの入社を決めたのか、現在はどのような想いを秘めながら日々の業務に取り組んでいるのかなど、知られざる彼の一面に迫ります。

森富賢一郎
a.i lab.
大学時代は機械学習の部分についての研究に励む。
海外で機械学習の論文発表を経験。
現在はa.i lab.にて学生時代同様、機械学習の研究に没頭中。

(取材:株式会社AMBAI水野)

海外で感じた実体験の重要性

- 早速ですが、森富さんはどういう学生生活を送られていましたか?

研究としては、AIの一分野になるのかもしれませんが、数式を使って機械学習の理論、いわゆるアルゴリズムの部分を研究していました。コンピューターでの学習は数式に直さないといけないので、どういう数式を書いて何が出来たら学習になるのか…というようなことですね。

もともとコンピューターやアルゴリズムの分野に興味があったのでこの分野に進んだのですが、数式をゴリゴリといじっているのは自分の思考にも合っているなと思っています。

- 大学生活自体はどうでしたか?

僕は高専から大学に行ったので、3年生から編入しました。キャンパスライフを体験してみたかったというのもありまして(笑)。実際入学した後は、研究にほとんどの時間を使う日々でした。印象に残っている経験は、学会の発表でベトナムに行った時ですね。人生初の海外に行く機会だったのでかなり緊張しました。

- 英語で発表ですね!?

そうなんですよ、かなり練習しました。ただ、登壇する場面になった途端に全部頭から抜けて、焦りました(笑)。もちろん原稿があったので無事に終えることはできたんですが。海外で発表できたことも貴重な経験でしたし、“はじめて海外に行けた”ということも私自身にとってはよい経験だったと思います。行く前にあれやこれやと調べると「あれに気をつけろ、これに気をつけろ」ということばかり出てくるので身構えていましたが、行けば何とかなるもんだなぁと思えるようになりました。何事もチャレンジして実体験を積むことが大事だということを体感できたのは大きかったですね。

- 他に没頭したことはありますか?

何だろう。そうですね…。乗り鉄に目覚めまして。電車ですね。あちこち電車に乗りに行っていました。九州、四国、中国地方は全部制覇しました!都内に引っ越してきてからは、休日に時間があると、東日本を着々と攻めていますよ(笑)。

自分の研究を本気で見てくれる本気の環境

- そんな森富さんがSMNと出会ったきっかけはなんですか?

はじめてSMNについて聞いたのは、修士や博士向けの就活支援サービスを経由しての紹介でした。そこが「機械学習でこういうことをやっている会社がありますよ」と情報をくれたのがきっかけでしたね。最初は「へー」と特に気にしていなかったのですが、実は他社の説明を聞きに行った時に、パンフレットにSMNが出ていて、そこから興味を持ちました。その他社のほうを先に受け始めていたのですが、そこと取引がある会社なら面白いかもしれないと思いまして。

- 就活ではどういうこところを狙っていたのですか?

企業の研究所を中心に受けていましたので、大手の通信電機メーカーなどですね。博士課程までいったので、研究を活かせるといいなと思っていました。

- その中でなぜSMNに決めたのでしょう?

SMNだけ、入社試験で自分の論文を見せることになったんです。私の論文は、きっと傍目にはよくわからないし、ビジネスにも直結しない内容だったのですが、私自身がどんな研究をしているのかを本気で見ようという姿勢がすごく伝わってきましたね。もともと大学でやっている研究が、実社会にどれだけ役に立つのだろうかと思っていたのもあって、それを見ようとしてくれる会社なら、自分のやってきたことが活かせるのではないかと思いました。これが最終的には決め手になった気がします。

- 今はどういう仕事をしているのですか?

広告を掲載する時に、見た人がコンバージョンする確率の高い広告を出すためにどうしたらよいか、そういった予測学習のアルゴリズムの研究や開発をやっています。正直、大学にいた時にはあまり実験はしなかったので、実際のデータを触る機会は入社してからでした。データは必ずしもきれいな形ではないということに会社に入って直面し、今はまだこういった状況をどう乗り越えるか、経験を積んでいるさなかですね。

※コンバージョンとは:Webサイト上で獲得できる最終的な成果のことを指す。ECサイトでは商品購入、情報提供サイトやコミュニティサイトでは会員登録、企業サイトや商品情報サイトでは問い合わせなどがコンバージョンに当たる。

- a.i lab.への配属は希望に沿ったものですよね

はい。仕事をするならこの部署だ、と思っていました。とはいっても実は明確に希望を述べた記憶はなく……でも就職紹介をしてくれた時から、機械学習の知識が活かせる先はa.ilab.だと聞いていました。研究に関心を持ってもらったところからはじまり、結果的にこれまでの研究も活かせるような配属にしてもらえてよかったです!

大学時代の研究が活きる職場で試行錯誤を繰り返す日々

― 実際に業務を進める中で、大変だったことも多かったのではないですか?

毎日四苦八苦はしていますが・・・そうですね。今、自動入札エンジン「VALIS-Trader」のとある課題の調査をしています。どこに問題があるのか、そもそも人の問題なのかシステムの問題なのかもわからない状況です。この調査に明確に期限があるわけではないのですが、私たちの事業にとってはインパクトのあることなので、なるべく早く調査を終えたいなと思っています。

ただ、納得できるまできちんと調査しないと別の問題が発生する可能性もありますし。私自身もしくは直属の先輩が一番わかる当事者なので、今はやるしかないなって感じで頑張っています(笑)。

- そんな中、次のステップとしてやりたいことは見えていますか?

業務を通じてこれまで知らなかったアルゴリズムも触れられるようになったのですが、その中でまだ数式的な評価までは至っていないものも結構ありました。そこに着目して、数式的な評価をつけて論文として出せたらいいなと思っていますね。たぶんこのアプローチはビジネスに直結するものではないと思います。だからちゃんと時間をとって取り組めるようになるまでにはまだ時間がかかるかもしれませんが、こうした分析がきっと中長期的には効いてくるし、自分としてもやっぱり数式的なアプローチはやりたいことですね。

- 技術者同士で意見交換することはありますか?

プロジェクトごとにチーム内で意見交換することは結構あります。またチームを超えた全体の意見交換は月1回定例でやっています。普段は結構皆黙々と仕事をしているのですが、わからないことがあったときに聞きづらいということはないし、上司もすごくフランクです。

- どういう時が楽しいですか?

アルゴリズムを考えて、実際に動かし、良い成果が出た時ですね。または、今やっている内容だと何かうまくいかない……という時に、いろいろ調べて「コイツが原因だ!」とわかった時。結論が出た時というのは楽しいですね。

- でも時には悪い結果も出ますよね?

そうなったら「改善しましょう」となるので、また考えて試すのを繰り返しますね。わからないことも多いので、上司に相談しつつやっています。

- 大学時代から関心は一貫していますね。

数式が好きなのは変わりないですが、大学に入った後は明らかに数式を活用することには強くなったと思います。コンピューターも好きだったのですが、プログラミングを組むだけではなく、その裏で動いているメカニズムを紙の上で研究できると知ったことは大きかったかもしれません。なぜ動くのかを調べることの重要性が見えてきて。そこに自分の研究や関心が活かせそうだと思ったことが、今の仕事にも繋がっているのだと思います。

取材を終えて。 社外インタビュアー水野より
インタビュー中も、現在取り組んでいる開発内容などの専門的な話をしている最中に、時折見せる優しい笑顔をとても印象的だった森富さん。技術者として目の前の作業に没頭しながらも、周囲を和ませている彼の姿が自然とイメージ出来たインタビューとなりました。彼の絶え間ない探求心とにじみ出る優しい雰囲気で必ずやSMNへ新たな風を吹かせてくれると感じさせられました。今後の彼から目が離せません!

本件に関するお問い合わせ先

経営企画管理部 組織開発課 採用担当者